削りぶしのできるまで
削りぶしは栄養の宝庫
削りぶしの種類と特徴
削り方の種類と上手な使い方
鰹節は日本古来の天然調味料
祝いごとに欠かせない「鰹夫婦節(かつおぶし)」
焙乾、カビ付けから生まれる削りぶしのおいしさ
削りぶしのうま味の正体
よい削りぶしの見分け方
削りぶしの上手な保存方法
丹念な製造工程を経て完成する削りぶしは、手間ひまのかかる芸術品。その芳醇な風味は日本料理に欠かせません。
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<現代のニーズにマッチした、高たんぱく・低脂肪食品>
削りぶしは製造工程において、たんぱく質が3〜4倍に凝縮され、100g当たり約70〜80gも含まれるようになります。一方、脂質の少ない原料を使用するので、100g当たりかつおで3gと低脂質で、その他の削りぶしでも5〜7gです。しかもその脂質は生活習慣病予防に効果的な多価不飽和脂肪酸が多く含まれています。最近では、生活習慣病の予防を心がける人、また嗜好の面でもさっぱりしたものを求める傾向が見られます。高たんぱく・低脂質の削りぶしは、まさに、これらのニーズにマッチした食品といえます。
<健康づくりに欠かせない必須アミノ酸のすべてを含みます>
削りぶしに含まれるアミノ酸の種類は30種にも及びます。体内で合成できずにどうしても外から摂取しなくてはならない“必須アミノ酸”をすべて含みます。また、乳幼児に欠かせないヒスチジンの含有量が高いのも特徴です。
削りぶしは遊離アミノ酸も豊富です。このうち血中コレステロール値を下げ、血圧を正常に保つ働きのあるタウリンも含まれています。
削りぶしは、お子さまからお年寄り、生活習慣病でお悩みの方々に安心して召し上がっていただきたい健康・保健食品です。うま味のもとであるイノシン酸は「核酸食」として注目されてます。
<日本人の泣きどころ、カルシウム不足を解消します>
カルシウムは骨や歯の形成はもとより精神の安定や血圧、その他さまざまな生理機能に重要な役割を果たしているといわれています。
「日本型食生活」というと、栄養バランスが理想的で今や欧米人のお手本となっていますが、唯一の欠点は慢性的なカルシウム不足です。
いわし削りぶしには100g当たり900mg以上ものカルシウムが含まれています。また、その他の削りぶしも筋肉中に30〜40mgとカルシウムの含有量が高く、よい補給源とされています。なお、カルシウムはだしの中によく溶け出します。
カルシウムの他に、ビタミンB群やE群も豊富です。
<削りぶしの栄養成分表示>
品名
エネルギー
(kcal)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
食塩
(g)
カルシウム
(mg)
かつお削りぶし
かつおぶし削りぶし
340
78
3.0
0.8
1.1
─
まぐろ削りぶし
330
79
1.5
0.3
1.3
─
さば削りぶし
さばぶし削りぶし
355
72
7.0
1.0
1.0
─
いわし削りぶし
330
69
5.0
3.0
2.9
945
混合削りぶし
355
70
7.0
2.0
1.5
─
(社)全国削節工業協会「削りぶし、煮干魚類等の栄養成分表示に関する実施細則」より
種類
特徴と使い方
かつおかれぶし削りぶし
かつお削りぶし
上品で淡白な味と香り。
風味を生かす吸い物、めん類のだし汁、煮物、添え物、即席惣菜、ご贈答品として好適。
さばかれぶし削りぶし
さば削りぶし
コクがあって濃いだし。
みそ汁、めん類のかけつゆ、煮物向き。
まぐろ削りぶし
淡白でやわらかな味。
吸い物、薄味の煮物、添え物向き。
いわし削りぶし
旨みが強くコクのある味。カルシウムがとくに豊富。
みそ汁、めん類のかけつゆ、煮物向き。
混合削りぶし
各種削りぶしの混合による複雑な味。
配合魚種の特徴による万能だし用。
削りぶしは原料魚や加工条件によって風味が異なります。また形状もさまざまですので、用途に応じて使い分けたいもの。その一例を挙げてみました。
削り方
主な用途
特徴
薄削り
お吸い物のだし
(かつお、まぐろ)
薄削りは、短時間の加熱または水だしでだしがよく出て香りも楽しめます。
厚削り
めんつゆ
煮付け
濃厚なだしをとるのに向いており、水に対して多量に入れることができます。
糸削り
添え物
お好み焼き
ふりかけ
手軽にふりかけて風味を楽しむには、砕片、ソフト・マイルドが最適。また飾りとしての効果を重視するときには糸削りをどうぞ。
みそやしょうゆなど、日本の伝統食品と思われるものでも、そのほとんどは、実は中国や朝鮮半島から伝来したもの。これこそ生粋の国産と誇れるものは鰹節です。原料のかつおは日本近海に大量に回遊するため、縄文時代から日本人の大切な食糧源でした。漁期が春から夏と高温期で、腐敗が早かったため、もともと干物にして保存性を高めていました。かつおの干物は大変堅かったのでしょう、「堅魚(かたうお)」と名付けられ、この名は古事記にも出ています。原料魚「かつお」の名は、堅魚(かたうお)がつまったものだといわれています。
かつおは素干し、焼き干し、煮干しの段階を経て、現在の鰹節の製造法である「煙でいぶす方法」、さらにバイオテクノロジーの手法を使ったカビ付け法が発明されました。冷凍保存などがなかった時代の先人たちが、これらの加工法を駆使して保存性を高め、かつ、生の魚にはない風味を生み出したことは驚くべきことです。
このように、鰹節は日本人によって発見され、日本人によって改良され、そして現在でも広く使われているれている日本古来の伝統食品。酸化防止剤、防腐剤、着色料などは一切添加されていない安心して使える天然調味料です。
鰹節の縁起は、古来から神社の神明造りに見られる「堅魚木(かつおぎ)」にちなむものと、戦国大名の北条氏綱(1486〜1541)が、かつおに「勝つ魚(かつうお)」を、鰹節に「勝男武士(かつおぶし)」の字をあてて戦勝祝いに用いたのが有名です。かつおぶしはその形や語感のよさから、昔から縁起の良い贈り物とされています。
たとえば三枚におろして作った鰹節が、亀に似ているので「亀節」と名付け、長生きの鶴亀にちなんで長寿のお祝いに。また、かつおの背肉から作った「雄節」と腹肉から作った「雌節」を合わせて夫婦が一対になるという意味で「鰹夫婦節(かつおぶし)」、古くかつおのことを松魚と呼んだところから、めでたい松竹梅にあやかり結納品や結婚式の引き出物に。その他、建築物の骨組みができたときに行う「上棟式」など、祝い事には欠かせません。
現在では、「鰹節」の風味をそのままにパックした「かつおぶし削りぶし」がお見舞いやお中元、お歳暮等の贈答品として喜ばれています。
「雄節」と「雌節」が一対となった「鰹夫婦節」
[ 焙乾によって ]
1.
いぶしたとき、広葉樹(なら、かし、くぬぎなど)のやわらかい独特の香りがつき、同時に魚臭を消します。
2.
ふし特有の美しい深みのある色沢を与えます。
3.
魚臭や渋みのもととなる酸化が防止されます。
4.
細菌による腐敗が防止され、保存性が高まります
[ コウジカビ属の優良カビを付けることによって ]
1.
カビが内部の水分を吸い出すので、均一に乾燥させることができます。
2.
魚臭やだし汁の濁りの原因となる脂質が、リパーゼ(脂肪分解酵素)によって分解されます。
3.
上品でまろやかな味と香りがかもし出されます。
うま味の主役は、核酸関連物質のなかのイノシン酸(IMP)とアデニル酸(AMP)です。これに微量に含まれているグルタミン酸(MSG)が加わり、相乗効果で味が引き立ちます。脇役として、遊離アミノ酸や魚節のもつ香気成分、燻製成分、カビ付けによる独特の香気などが要素になっています。
また、脂質やグリコーゲンなども微妙に全体の味を引き立てているほか、魚種によって、それぞれの独特の持ち味が加味されています。
削りぶしのうま味には、たくさんの呈味・芳香成分が関わっていて、単一の化学調味料では得られないバランスの良い香りとまろやかな味、コクの深さがあります。さらに昆布(グルタミン酸)を加えることで、相乗効果によってうま味が増します。
見た目にきれいな色でつやがよく、形がくずれていないものがよい削りぶしといえます。黄変、褐変して油焼け臭の強いものはよくありません。
JASマークのついている信頼のおけるメーカーのものなら安心。JASマークの確認とお料理に向いた魚種を選ぶためにも、表示をよくお確かめの上お買い求めください。
削りぶしの大敵は湿気と日光です。吸湿すると、カビが生えたり害虫がつきます。日光にさらされると、変色し、風味が落ちてしまいます。
開封したらなるべく早く使い切ることが大切です。保存する場合は、しっかり空気を抜いて密封し、乾燥した冷暗所に置きましょう。
[ 削りぶし保存のアイデア ]
1. 止め口つきの袋に削りぶしを入れ、中の空気を抜きながら口元を止める。
2. ポリ袋に入れて口元を止め、冷蔵庫内のにおいが移らないよう、アルミホイルで包む。冷蔵または冷凍保存で。
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